2013年4月アーカイブ

あたたかい「春陽」が降り注ぐ祝日の29日。ゴールデンウィークに入ったばかりの渋谷でSOARINGのライブが開催されました。セカンドアルバム『kijaku』のリリースパーティということですが、鍵和田さんのお話によるとファーストアルバムをリリースしたときにイベントをしていなかったので、1枚目と2枚目のアルバムを合わせた発売記念パーティになるとのこと。

MCでChilさんは「天気のいいときにこんな地下に・・・」と恐縮していましたが、いやいや、天気のいい昼間にアンダーグラウンドなライブハウスでお酒を飲みながら聴く音楽ほど贅沢なものはないでしょう。もちろん晴天の空の下で飲むビールも美味しいですけどね。

ライブハウスは渋谷HOMEです。渋谷郵便局の裏手あたりにあります。

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階段を降りて重い扉を押すと夜な感じ。ドリンクを販売するカウンターがあり、ステージは入って左手奥にありました。天井にはミラーボールもあった。受け付けで持ってきたKijakuのCDをみせて名前を告げ、レーベンブロイのビールを注文しました。sphontikさんのDJで心地よい音楽が流れていて、いい雰囲気です。

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テーブルに着くと、隣に座っていたneoparaさんという男性から声をかけていただきました。neoparaさんは既にSOARINGのライブは4回目とのこと。ぼくのブログを読まれていたそうで、恥ずかしいけど嬉しい。とても気さくな方だったので、初対面にも関わらず音楽だけでなく仕事のことなど話が弾みました。常連の方はお互いに顔見知りも多いようで、ファンの集いのような様相がありました。

会場内では、lullalooさんによるお菓子とハンバーガーのコーナーもあり、ベジバーガーを注文。400円。これがビールに合って美味かった。もぐもぐ頬張っているとbynさんの演奏がはじまりました。

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bynさんは、サンプラーのループをバックに弾き語るスタイルです。ギターの胴を叩いてパーカッションの音をループさせ、ギターのフレーズを重ねて、さらにコーラスまで加えていく。ベースでいうところのチョッパーのようなスラップ奏法によるフレーズを使った曲もありました。

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これは凄いなあとおもった。ぼくがループで演奏するスタイルを知ったのは、ツイッターでKTタンストールというシンガーに憧れている方の映像をYouTubeで拝聴したときなのですが、ナマで観たのはこれがはじめてです。ひとり多重奏というか、多重録音の過程を観ているようで楽しい。ファルセットの歌声を重ねてハーモニーを作ったときには、職人芸的な完成度の高さに感動しました。(ちなみに、KTタンストールの演奏はこちら。こういうスタイルで演奏されていました)。bynさんは関西弁のトークも絶妙でした(笑)

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そしてSOARING登場。ここからはセットリストの順番を追いながら、MCなども含めてトレースしていきましょう。まず3曲。

1. RIVER
2. SHIP
3. e.g.


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「RIVER」が終わったあとには「ドキドキしています。心臓が飛び出そう」とChilさん。とはいえ、「e.g.」で踊りながら歌う姿は楽しそうでした。なんとなくカントリー風な衣装で楽曲が民族舞踊的な響きもあるので、草原で踊る娘を想像したりして。

「お休みの日に音楽を聴きながらお酒を飲めるといいね」ということで企画したパーティだそうですが、今日は夜からだとおもっていた方も多くて、直前にツイッターで情報が飛び交ったとか。確かにライブは夜のことが多いので、勘違いされた方は残念なことでした。

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「」 4.vega.

4曲目が終わったときのChilさんのMCは「音楽の始まり」について。中学のときに吹奏楽部でクラリネットを吹いていて、それが音楽の始まりだったとのこと。当時、よく聴いていたのはB'z。うーむ、B'zですか。ご自身でコメントされていたように現在のSOARINGの音楽とはまったく違うのですが、なんとなく親近感を覚えました。J-POPもいいよね。

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5.cage

ファーストアルバムに入っている「cage」は、鍵和田さんの以前のバンドの曲にChilさんが曲を付けた経緯があったそうです。「そのときの心理状態を表していたせいか暗めの歌詞」なんてことをおっしゃっていましたが、確かに前半は飛べない私について書かれているのだけれど、後半は逆転して明るい空に飛び立つような歌詞だとおもいます。

5曲が終わったところで、パーカッションの久保田さん登場。ここからは3人編成の演奏になりました。「要塞」のようなセットには、布を被で覆われたてるてる坊主(?)のような楽器もあり、電子楽器かな?ともおもったのですが「要塞に電子要素はとりいれてないですよ(^^)布を使って音を加工しているのです(´・∀・`)」とツイートで教えていただきました。

パーカッションが入るとリズムが前面に出てきて賑やかです。ウインドチャイム(たくさんの金属の棒が吊されていて、きらきらきらと鳴る楽器)も繊細な音色を奏でていました。願わくばベースもいてほしかった。

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6.RONDO

「RONDO」は夏をイメージして書いた曲(「ちょっと違ったかな?」とも)。キャンプファイヤーなどを思い浮かべて書いたとのこと。ライブの後でお話を伺ったところによると、夏に集中して楽曲の制作をするそうで、『Kijaku』に収録された曲も夏に作ったもの。ということは、これからが創作シーズンになるわけですね。

7.GO ANYWHERE

「どっか行きたい曲(というMCに対して、投げやりですね、と鍵和田さん)」の紹介時には、おふたりの地元である小田原でお祭りがあるのでぜひ小田原へ、とお出かけのオススメをされていました。ゴールデンウィーク、どっか行かなきゃとおもうような軽快な曲でした。

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8.春陽
9.雨の日


今回のライブでぼくがいちばん良かったと感じたのは最新曲の「春陽」でした。まさに春の真ん中ちょっと過ぎたあたりの時期だったせいもあるかもしれませんが、ボーカルの歌詞がしっかりと届いて、ギターの音もきらきらと美しく、パーカッションも心地よかった。いいなあとおもっていると「最後の曲です」ということで、ええ、もう終わっちゃうの?という驚きがありました。

10.NIGHT PARADE

「ライブハウスがオープンする前、待っているひとたちのなかに知っている顔があるとすごくしあわせ。みんなに支えてもらって嬉しいです。これからも続けていきたい。次の目標を追っていけるといいな、とおもいます」というMC。そしてアンコールは鍵和田さんがアコースティックギターのみで作った最初の曲「wind」。

11.wind

リリースパーティが終わって地下のライブハウスから出ると、外はまだ明るい休日の渋谷で、音楽の余韻に浸りつつ渋谷の駅まで歩きました。子供連れのひとも多く、ほんわりとしあわせな気分になりました。

DSCF7342.JPG今回参加したひとたちには、6曲入りのCDが配られました。嬉しい特典です。半透明の洒落た封筒に入っていて、CDを取り出すときにミントのようないい匂いがしました。それから、鳥のかたちをしたクッキーも配られました。これはlullalooさん特製です。

ツイッターで教えていただいたのですが、このクッキーは「卵や乳製品や白砂糖を使ってないマクロビオティックなおかしなんです。そこに(食品添加物として使用できる)精油(アロマオイル)を入れています♪アールグレイという紅茶に使われるベルガモットという精油を入れました☆」ということで、ふつうのクッキーとはちょっと違った美味しさでした。

音楽はもちろん、音楽以外のことでもいろいろと収穫が多かったリリースパーティ。今後のSOARINGの活動を楽しみにしています。

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SOARING関連のエントリ

SOARINGインストアミニライブ@新宿TOWER RECORDS
http://soseki21.com/2013/03/-soaringtower-records.html

セカンドアルバム『Kijaku』
レビュー>> http://soseki21.com/2013/03/-soaring-kijaku.html

Kijaku
SOARING
Kijaku
曲名リスト
1. Night Parade
2. Ship
3. bamboo
4. river
5. go anywhere
6. prelude
7. Rondo
8. heart
9. Picture at park
10. Universe

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ファーストアルバム『Raven』
レビュー>> http://soseki21.com/2013/03/-soaring-raven.htm

Raven
SOARING
Raven
曲名リスト
1. where's the light
2. with green
3. vega
4. darksea
5. circus
6. 雨の日
7. Raven
8. cage
9. west
10. e.g.
11. wind

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「NIGHT PARADE」PV

ライフログ・・・などというたいそうなものではありませんが、手に入れた本やCDを記録しておきます。未読本の整理など自分向けの情報として、あるいはどこかで、あ、それぼくも(私も)持っている!というような巡り会わせがあることを期待して。

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今日はNHKラジオテキスト『英語で読む村上春樹』の5月号を購入しました。いつも挫折してしまうラジオ講座ですが、日曜日の夜遅い時間にも関わらず、4月分の放送は全部クリアできそうです。継続は力なり。5月も頑張ります。

右下の紫色のジャケットのCDは、プロフェッショナル・ブロガーの立花岳志さん( @ttachi )からもツイートでおすすめいただいて注文したマイブラ( My Bloody Valentine )の mbv というアルバム。実に22年ぶりの新譜のようです。本日 TOWER RECORDS Online から届きました。最初はノイズの洪水に戸惑うのですが、やがてそれが快楽になるアルバムです。

B00BHUJ2XIMBV
My Bloody Valentine
MBV 2013-03-04

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6曲目の「New You」が気に入っています。JAPAN TOUR 2013(2013/02/10)の動画があったのでYouTubeから。

New You


右上にあるのは夏川草介さんの『神様のカルテ2』。こちらは4月22日に購入しましたが、しばらくツンドク状態になりそうです。

4093862869神様のカルテ 2
夏川 草介
小学館 2010-09-28

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新緑の季節。

気がつけばもうゴールデンウィーク。東京ではさくらの季節は過ぎ去って、新緑の季節の入り口という感じです。写真は昨日撮影した近所の新緑の木々、ツツジや名前の知らない花。

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4492044809電子書籍を無名でも100万部売る方法
ジョン ロック 小谷川 拳次
東洋経済新報社 2012-12-07

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タイトルはあざとい印象があり、ビジネス書籍でよくみかける煽り文言のようです。しかし、ジョン・ロックは実際に無名でありながら電子書籍の自著でミリオンセラーの偉業を成し遂げました。

この本は電子書籍を売る実践的な手法にフォーカスして、彼が経験から導き出したノウハウが惜しげもなく紹介されています。無駄な内容には一切ページが割かれていません。著者みずから述べているように、この本は読了後に閉じてしまうのではなく、彼の方法論を実践するためにあります。

とはいえ、ここに書かれていることの真髄がわかるひとは、ソーシャルメディアに親しんできた方、あるいはマーケティングを理解している方ではないでしょうか。彼は作家でありながら本職のビジネスでも成功した優れたマーケターです。これから電子書籍を書きたい、自分の著書で稼ぎたいと企てているライターや作家志望者はもちろん、コンテンツマーケティングやインバウンドマーケティングに携わるマーケターにもおすすめしたい一冊です。

ジョン・ロックは、自分自身の手法を確立するまでに、著作を売るためのマーケティング活動に膨大な時間と2万5000ドル(約200万円)以上のお金を無駄にしてきたそうです。彼が時間とお金をかけたけれど効果がなかった「出版マーケティング」は以下の7つです。

1. 出版マーケティングについて外部の人間に聞く
2. 書店マーケティング
3.新聞取材
4.PR担当者を雇う
5.プレスリリース
6.ラジオインタビュー
7.広告宣伝

一目してわかるのは、これらは広告代理店が展開するマスメディアを中心としたマーケティングであるということです。一方、失敗から学んで彼が展開した手法は、ブログやツイッターなどのソーシャルメディアを軸としたマーケティングでした。広告で幅広い読者を獲得するのではなく、特定の読者にファンになってもらい、作品を継続して読んでいただく、いわゆるLTV(ライフタイムバリュー)に着目した戦略です。

重要なことは「特定の読者に向けて執筆」したことでしょう。ジョン・ロックの強みは、読者に合わせてコンテンツ(作品)自体をプロデュースできるパブリッシャーだったことにあるとぼくは考えています。

コンテンツとマーケティングを一体化させ、ブログやSNSで読者とコミュニケーションして、読者の好みについてテストマーケティング的な調査を行いながら、商品としての著作(コンテンツ)自体を変化させる。たぶん従来の出版社と作家の分業されたスタイルでは、このような一体化した「商品(コンテンツ)開発」はできないでしょう。個人出版あるいは電子書籍だからこそ可能になることです。また、読者を大切にするという意味では、次の言葉は非常に重みを感じました(P.168)。

人は、信頼している人からモノを買う。

ソーシャルメディアを活用するといっても、見え透いた売り込みは嫌がられます。十分な信頼関係が構築されていないうちに利己的なセールスをかけられたら、拒絶したくなる。コンテンツマーケティングの際に最も留意したいことです。

「書籍コンテンツを従業員としてみなす(P.78)」という発想も面白いとおもいました。個人出版自体を会社経営のメタファとして考えていて、社長=作者、従業員=作品という箱庭的な思考が楽しい。自分の生み出した作品が従業員としてみずから顧客を開拓し、読者の反響や売上げをレポートしてくれるという考え方は、売上げや顧客管理を出版社や取次任せにしていたオールドスタイルの作家や出版では思い付かない発想です。

しかしながらジョン・ロックの提示する方法論を実践しようとして、はたと気づくことがあります。それは「コンテンツ」の優秀さです。

ブログによるファン獲得方法の解説で実際に彼が書いたエントリが紹介されているページがありますが、ここで紹介されているエントリが実に味があって上手いのです。こんな風に上手く書けるには、やはり文才が必要。これだけ上手にブログが書けたら電子書籍も売れて当然だなあ、とおもった。

というわけで、コンテンツマーケティングの手法で電子書籍を売るためには、そもそも文才というコンテンツを創造するスキル自体が必要かもしれない、という根本的な問題にぼくは気づいてしまいました。ジョン・ロックの著作が100万部売れたのは、マーケティングの手法に長けていたせいもあるかもしれませんが、そもそも彼に文才があったからともいえます。文才とマーケティング的思考の両方を持ち得た希有な人物だからこそ、ミリオンセラーも実現できたのではないか。

電子書籍が注目されている昨今ですが、ぼくは電子書籍に過剰な夢を抱いていません。けれども、個人もしくはマイクロ規模で情報発信ができ、誰もがメディアとなり得るツールの存在として期待しています。DTPの登場により従来は手が届かなかった活字をタイプすることが身近になり、ブログによって個人のパブリッシングが可能になったように、電子書籍がぼくらの表現の可能性を広げていくと考えています。

まだ黎明期ともいえる電子書籍の時代だからこそ、無名の人間が頭角をあらわすことも可能です。けれども頭角をあらわすひとには条件があり、コンテンツを作成する能力はもちろん、ジョン・ロックのようにマーケティング的なアプローチができること、セルフプロデュースのセンスのある作家が混沌のなかから伸びていきそうです。

ビジネスやプライベートの枠組みを飛び越えて、小説を書きつつ売りさばいたり、広告やPRまで何でもやっちゃうようなスーパーマンが登場する電子書籍の時代。そんな時代の到来と可能性を感じさせる本でした。
ツイッターでスペインにお住まいのKumiko♪さん( @atapies )から教えていただいたVictoria Bitter というビール会社のCFがとても楽しい映像でした。ビールの瓶を使ったオーケストラです。

Victoria Bitter Orchestra


子供の頃に瓶に口をあてて、ふぉっふぉーっと音を鳴らした経験があります。そんな子供ごころを刺激するような映像です。メイキングも楽しい。

THE MAKING OF THE VB STUBBY SYMPHONY


過去にブランデッド・エンターテイメントという広告用語がありました。BMWのCMだったかとおもうのですが、映画のようにコンテンツとして完成度の高いCFを創ることで、主としてインターネットでクチコミによる注目を集める手法です。

最近では、コンテンツマーケティング、インバウンドマーケティングということがマーケティング業界ではよく言われますが、重要なことは概念ではなく「いかに注目されるコンテンツを創るか」ということではないかと考えます。つまり、コンテンツありきである、と。その意味ではクリエイティビティが要求される分野であり、単純にSEOやクラウドのツールが充実していればコンテンツマーケティングあるいはインバウンドマーケティングが可能というわけではない。

Victoria Bitter のCFとメイキングを観て印象的だったのは、クリエイターの方も、指揮者の方も実に楽しそうだということです。創り手の楽しさは、視聴者に伝わります。クリエイティブなチカラを伝播させるためには、まず創り手自身が楽しみながら創っていることが必要ではないでしょうか。

デジタルコンテンツを制作する上で大切なことを再確認した映像でした。

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ビクトリアビター(ブイビー)(VB)について解説されているページ。オーストラリアでは知名度の高いビールなんですね。「日本人でオーストラリアのビールを知ろうと考えている人は何を差し置いてもこのビールから飲んでおかなければならない一品。」だそうです。

オーストラリアビールガイド ビクトリアビター(ブイビー)(VB)
http://www.oz-beer.com/beer/victoriabitter.html

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春だというのに冷たい雨が降り注ぐ4月20日土曜日、世田谷線のちいさな電車に揺られて三軒茶屋へ。世田谷ものづくり学校で開催されたイルカの学校、小林弘人さんの講演「僕らがWebから学ぶこと 先生も上司も教えてくれない、ワイルドな時代のサバイバル術」に行ってきました。

とにかく寒かった。ジャケットを羽織らずに外出したのですが、とんでもない誤算でした。ネットの案内によると、世田谷ものづくり学校は三軒茶屋から歩いて15分と書かれている。覚悟はしていたのだけれど、傘を差しながらiPad miniで開いた地図を頼りに歩く道のりは途方もなく遠い。凍えそうになりながら歩いて、やっと辿り着いたかとおもったら学校の裏門だったりして、その裏門で迷っているひとふたりと遭遇しました。そのうちひとりは、後で名刺交換のときに盗み聞きしたところミクシィの方だったようです。

はじめて訪問したIID(IKEJIRI INSTITUTE OF DESIGN)世田谷ものづくり学校。ほんとうにここは学校なのです。2004年3月に廃校となった旧池尻中学校跡地を利用して「デザイン・建築・映像・食・アート・ファッション」など、さまざまな分野のクリエーターに教室を開放している。入り口から校舎に足を踏み込むと、文化祭のような雰囲気がわーっと広がっていて楽しくなりました。階段を登って2階の奥にある「教室」が講演の会場でした。

P1000665.JPG会場内は白い壁にウッディな床が目にやさしく、黒板の場所にはプロジェクターでスライドが投影され、アップルのコンピュータが設置されています。席には四角い木のちいさな椅子が並べられていて、なんとなく森の学校という雰囲気です。続々と集まってきた受講者は若い学生らしきひとたちが多いと感じました。ちいさな子供連れのひともいらっしゃって、アットホームな雰囲気のなか講演がはじまりました。

まずマルチ・プロデューサーの関智さんから説明がありました。イルカの学校のイルカ(ILCA)とはInnovation, Learning, Creatibity and Artsの頭文字をとったものであり、故人であるゲームクリエイターの飯野賢治さんが発起人として立ち上げた活動とのこと。イルカってそういう意味だったのかとおもっていると、小林弘人さんにバトンが渡され「飯野さんとは飲み屋で会ったことしかないんですよね。いっしょに仕事はしなかったけれど飲み屋でいろんな話をしました」という回想から講義がはじまりました。

講演はときおり会場からの参加者の声を拾いながら進行しましたが(隣のひとと挨拶をしましょう、というウォーミングアップのイントロもあり和みました。ぼくの右隣はイケメンな男子、左隣は眼鏡をかけた知的な女性でした)、まず参加者に問われたのは、講演のサブタイトルにも記された「ワイルド」についてです。いま世の中はワイルドだとおもうか、という問いに対して多くの参加者の手が上がります。実力次第で頭角を現せる時代は、確かにワイルドかもしれない。

P1000669.JPGのサムネール画像ワイルドというキーワードを踏まえて、小林弘人さんご自身のワイルドな経歴が紹介されました。どこの馬の骨ともわからない状態でワイアードというIT雑誌を立ち上げ、NeXT時代のスティーブ・ジョブズと単独インタビューを実現。このときの記事タイトル「叶えられた祈り」は、トゥルーマン・カポーティの小説の題名からとったそうです。スティーブ・ジョブズのインタビューでは写真嫌いの彼から写真を撮る許可さえ得ることができ、急遽作った表紙は35ミリフィルムで撮影した写真を大きく引き伸ばして使ったため、モアレが生じてしまったとのこと。

その後、アップルがどん底の時期には、両方から囓られたアップルのロゴを使って背景が真っ黒の表紙を作ります。アップルのファンであれば、この意図するものはすぐわかるだろうという目論見です。取次からものすごく怒られたそうですが、取次の反応とは逆に爆発的に売れて、雑誌としては異例の増刷があった。アトムが表紙の号では業界初のホログラム(立体的にみえる印刷)を採用するなど、出版業界の革命児のワイルドな試みが紹介されました。

自己紹介のあとは、Webの歴史を振り返って「学んだこと」の概観をお話されました。最初に提示されたキーワードは、

Webは人間をコピーする。

でした。インターネットの黎明期には数えるほどしかWebサイトは存在せず、Yahoo!ではたった2人でサイトを巡回してインデックスすべきページを拾っていたそうです。けれども、アメリカは面白いことを企てる人間が多かった。だから必然的に面白いWebサイトが登場した。そのアメリカの文化を日本にコピーすべく小林弘人さんはワイアードを立ち上げた。その後、Webは拡大し、現在では次のようであると語ります。

社会はWebをコピーする。

つまり、いまWebのアティテュード(行い、考え方)を学んでおくと、これから数年のちに社会がWebをコピーするかもしれない。要するにWebで行われていたことがリアルな社会で拡散したり浸透したりすることがあり得る。そこで次のような考え方につながります。

始点と終点は違っていてもいい(目標さえ見失わなければね)

目標さえ見失わなければ始点と終点は違っていてもいいという観点のもとに、Amazon、YouTube、Appleをはじめとして、さまざまな検索エンジンの動向などが俯瞰的に語られました。

たとえばAmazonは8年間赤字であったにも関わらず、上場したときに新規投資をします。さんざん社会から叩かれますが、Amazonは見据えていた目標があったからこそ批判にも揺るがなかった。その目標とは顧客のためによいサービスを実現するということです。

事業計画を立てるときに5ヶ年先の計画を立てることは「20世紀のやり方だ」と小林弘人さんは批判します。いまWebでは半年あればひとつのサービスを立ち上げることができ、3ヶ月で事業計画は修正するスピードです。しかし具体的な計画は修正されたとしても、見失ってはいけないのは目標なのでしょう。

という前提を踏まえて、Webから学んだことを7つ、ひとつひとつ解説しながら講演は進行していきました。とりあえず結果として小林弘人さんがWebから学んだことの7つをまとめてしまいますね。これです。

①強靱・迅速
②まず、始めることを終わらせる
③稀少
④与える
⑤Webじゃなくてもいい
⑥利他的でよい。それでよいのだ。
⑦動きまくれ。ぶつかってもまた動きまくれ。

ここからは小林弘人さんがお話したこととぼくが考えたことを混在させながら、簡単に講演内容をまとめていきます。

①強靱・迅速
「強靱」については、ロバストネスという生物学の用語も引き出しつつ、Amazonなどの企業における経営の強靱さを指摘されていました。8年間赤字でありながら目標に対して愚直に突き進んだAmazonのことを考えてみても、強靱な企業という印象があります。

一方、「迅速」であることも重要で、アジリティ(agility:敏捷)は「日本にはあまりない」と指摘されていました。グーグル出身で現在フェイスブックのシェリル・サンドバーグはマネタイズに長けたリーダーであり、彼女の動きは迅速そのもののようです。


0753541637Lean In: Women, Work, and the Will to Lead
Sheryl Sandberg
W H Allen 2013-03-12

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ポール・サフォーという未来学者が述べている以下の言及は印象的でした。

未来は今の延長にない。
ちょっとした飛躍があり、そこから一気に景色が変わる。

確かにそうかもしれません。ジェフリー・ムーアが言っているキャズムということをおもい出したのですが、何かが飛躍的に拡大するときにはキャズム(溝)を越える必要があり、ただしその溝を跳び越えてしまうと別の世界が拡がる。次のコトバも勇気づけられるものでした。

飛躍は論理的ではない。
飛躍を恐れてはいけない。
いつかその日のために情熱を失ってはいけない。

掃除機で有名なジェームス・ダイソンは、45歳で起業して、もはや改良の余地はないとされていた掃除機を再発明したことで偉業を成しました。多くのマーケターなどが掃除機のゴミは見せるべきではないと指摘したことに対して、機能は見えなければならないという思想を貫いた。その拘りが高価であっても購入されるヒットを生んだ。

小林弘人さんは彼にもインタビューされていて、彼の本は面白いとのこと。GEに売り込みに行ったときに、その場でゴミ箱のゴミをぶちまけられ、これを吸ってみろ、などという嫌がらせをされたエピソードも本に書いているとか。

ダイソンの本、『逆風野郎』というタイトルに吹いた(笑)


4822244040逆風野郎 ダイソン成功物語
ジェームズ・ダイソン 樫村 志保
日経BP社 2004-05-27

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②まず、始めることを終わらせる
フェイスブックのマーク・ザッカーバーグは「Done is better than perfect.」ということを言っているそうです。いきなり仕様を変更することが多いフェイスブックですが、2006年にニュースフィードを公開する機能を追加して問題になった。プライバシーが全部友達に流れていってしまうからです。けれども当時問題になった機能が、いまでは最もユーザーに歓迎される機能となっています。その後、2007年にプラットホームを公開し、フェイスブックのプラットホームでビジネスを展開することを許可することで爆発的な飛躍を遂げたといいます。

始めよう始めよう、といつまでも言っているひとがいますが、まず「始めよう」を終わらせる必要があります。そうしないと何も始まらない。あれをやりたい、と夢だけを語っている人間は、きっと70歳になっても実現しない夢を語っている、ということをお話されていたのですが、その通りですね。

インターネット関連の企業にはフットワークの軽い企業が多い。完璧をめざして時間をかけて構想するよりも、まず着手してしまったほうがいい。「Done is better than perfect.」というコトバには確かに学ぶべきものがあります。

③稀少
何が稀少かというと、能力、知識、経験、体験。確かに自分の体験はかけがえのないものです。その結果、サービスデザインやユーザーエクスペリエンスに注目が集まるようになりました。いままでの社会は「What」が重視されていたのですが、これからは「Why」が重要になるとのこと。つまり「なぜ」その製品を使うのかという理由、あるいは理由の背後にあるストーリー(物語)が求められるようになるわけです。

④与える
ポトラッチという風習のイラストがプロジェクターで表示されたのですが、この風習のことは、ぼくも聞いたことがありました。パ。ワーを持っているひとが他のひとに与え続ける風習で、お返しをしなければならないので疲弊していくらしい。とはいえ、誰かわからないけれど誰かのために与えるならば、それがいつかあなたのために返ってくるかもしれない、という発想はとてもいいと感じました。

与えるというキーワードから、以下のサイトが紹介されました。

・CouchSurfing
https://www.couchsurfing.org/
おもてなしの交換サイト。「海外旅行などをする人が、他人の家に宿泊させてもらう(カウチをサーフさせてもらう)という形式の相互的な思いやりや信頼による制度(Wikipedia)」ということで、大丈夫なのかな、とおもったら、やはり一度はトラブルがあったらしい。しかし、その後はバウチャー制度などセキュリティが強化されているようです。

・ZOPA
http://uk.zopa.com/
ソーシャル・レンディングというサービス。一般のひとからお金が借りられる仕組みです。イギリスではTVCMも公開されているらしい。日本ではSBIが展開とのこと。金利も安いので、ちょっとお金の足りないひと、お金が余っていて他のひとに貸してあげたいひとは、今後このような互助経済を発展させていくのかもしれません。

・KHAN ACADEMY
https://www.khanacademy.org/
無料動画で授業が視聴できるサイト。

面白いなとおもったのは、検索エンジン時代のWebは「中抜きの力」が注目されていたことに対して、これからは人の力を「素敵に」借りられる仕組みが注目されるだろうという指摘。

OUYAというオープンソースのゲーム機の例も取り上げられました。OUYAはキックスターターで資金が調達され、著名なゲーム機でソフトを作るためには膨大なお金がかかるけれど、オープンソースのゲーム機であれば比較的安価でも開発ができるため、クリエイターたちに門戸が拡げられる。技術さえあれば誰でもゲームを開発、公開できることになるようです。

⑤Webじゃなくてもいい。
Webから学んだことが「Webじゃなくてもいい」。実に究極だなと感じたのですが、WebじゃなくてもいいというのはWebを使わなくてもいいということではなくて、コンテンツの発想はリアルにアイディアが転がっていて、それをどのようにWebに組み込んでいくかが重要だということです。例として次のWebサイトが挙げられました。

・いろどり
http://www.irodori.co.jp/
徳島県上勝町を起点として展開している葉っぱビジネスです。弁当の葉っぱを提供する会社を創って、年商2億にまで拡大。映画にもなったそうです。

・TCHO
http://www.tcho.com/
こちらはチョコレート工場。アメリカのチョコレート会社は輸入したチョコを再加工して販売しているようです。あらためてWebで検索してみると、TCHOとは「Technology meets CHOcolate」ということらしい。

これらのWebは「仕組みありき」で展開されています。Webのなかで完結してサービスを構築するのではなくて、リアルのサービスの仕組みがあってWebをうまく利用しているところがポイントではないかと感じました。

⑥利他的でよい。それでよいのだ。
「それでよいのだ」と繰り返しているように、これがいちばん大事な「学んだこと」であると感じました。一方で、脆く揺らぎやすい思想でもあります。

企業は自社の利益を追求するものであり、個々人も自分が大事です。けれども他者にとって何かよいものを提供しようと考えたときに、新しいものが生まれる。講演の最初に提示された「サバイブ」から連想するのは他者を蹴落とす競争社会ですが、ほんとうにサバイブするためには他者との共存、あるいは他者を生かすことで自分も生きるような発想が重要になります。次の言葉は印象的でした。

素敵に力を借りるには、素敵に力を貸す必要がある。
真のサバイバーは利他的なのだ。
リアルワールドで生き残ることは利己的。
それは資源が限られているからだ。

限られた資源を奪い合うことがリアルのサバイバルです。領地を奪い合う戦争などはいい例かもしれません。けれども、Webの世界では資源は無限にあるともいえる。もちろん人間の能力には限りがありますが、他者に力を貸そうとする気持ちは無尽蔵にあると考えていい。Webに限らずリアルでも同様だとおもうのですが、力を奪うだけの人間は他者から力を借りることができない。他者に力を「与える」ことができるものだけが借りることもできるという法則は、納得できる要諦であるとおもいました。

⑦動きまくれ。ぶつかってもまた動きまくれ。
動きまくると何が生まれるかというと、セレンディピティ(Seredipity)です。セレンディピティとは「偶然、幸運な発見をする能力。発見をすること。発見の事例」であって、「セレンディップの3人の王子たち」という物語から生まれた言葉です。


4036526308セレンディップの三人の王子たち―ペルシアのおとぎ話 (偕成社文庫)
竹内 慶夫
偕成社 2006-10

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Webを使ってよかったことは何?という問いに対して「この講演に参加できたこと」という回答をした参加者もいましたが、確かにぼくも参加してよかったとおもいました。それは積極的に参加しようと「動いた」からこそ得られた結果であり、動かなければ何も得られなかった。ちょっとぐらい恥をかいても失敗してもいい。大事なことは動き続けることかもしれません。

「大きな企業は偶然を許さない」ということを指摘されていましたが、それも納得できる話で、それぞれの社員が偶然を起こして仕事をしたら会社としての統制が崩れてしまいます。けれども小規模なベンチャーであったり、あるいはもっとスケールを縮小して個人であれば、偶然を契機として人生を変えることもできる。

そんな人生を、そして世界を変えたムーブメントの例として「Free Hugs」という活動の映像を最後に流しました。あるアメリカ人の話で、彼のお母さんはいつも彼をハグしてくれた。なぜかわからないけれどハグしてくれた。けれどもお母さんが亡くなってしまって、抱きしめてくれるひとがいなくなってしまった。そこで彼は、通りに出て他のひとをハグするようになった。

「人間は誰かを助けるためにある」という思想が背景にあります。究極のところ、ぼくらは誰かを助けるために存在しているのかもしれません。というよりも自分のためだけではなく、誰かのために存在していたいものです。

「Free Hugs」の映像を観ました。



正直なところ、ぼくはこの映像が流れているあいだ、涙が出てきて困りました。音楽もいい。Free Hugsのプラカードを掲げているひとは、はじめのうちは気持ち悪がられて敬遠されているのですが、しばらくすると何人ものひとがハグしてくれるようになります。しかし、警察に捕まってしまったりもする・・・。

「強靱」にもつながることですが、ひとつのムーブメントを起こすためには愚直に「動き続ける」ことが大切です。そして、インターネットは冷たい世界のようでいて、その向こう側には血の通った人間の生活がある。Webで他者に何かを「与える」ことはハグなんだな、とおもいました。サバイバルということがテーマだったのだけれど、最後には、とてもあったかい気持ちになった講演でした。

ところで余談ですが、隣のひとと挨拶をしようというウォーミングアップのときに「よろしくなっ!」と後ろの席にいた方から背中を叩かれ、びっくりしたのですが、小林弘人さんから「身体の大きいひと」と呼ばれていたその方は「鉄コン筋クリート」や「アニマトリックス」などのアニメプロデューサーの竹内宏彰さんでした。講演後に名刺交換をさせていただき、電子書籍をつくりたいということを伝えたところ、声優志望者に対する学校案内はどうだろう、というビジネスアイディアをいただきました。

最後の質問コーナーでは、ぼくも小林弘人さんに質問させていただき、本と電子書籍の未来について伺ったのですが、「電子書籍の登場によって、台割りのある雑誌的なものは紙媒体として消えていくかもしれない。けれども書籍は残るでしょう」という見解をいただきました。

それから穴があれば入りたいぐらいに恥ずかしかったことをひとつ。小林弘人さんとも名刺交換をさせていただき、ぼくはその際に本にサインをいただきたかったのだけれど、間違えて家入一真さんの『こんな僕でも社長になれた』を持っていってしまった(苦笑)。ご本人の前で、この本にサインを・・・と書店のカバーを外したら、家入さんの本で「家入くんの本に僕がサインしたらダメでしょー!」と言われてしまった。そりゃそうですよね。ああ、恥ずかしかった。

と、いろいろなことがありましたが、とても充実した土曜日の夜でした。イルカの学校、また参加したいとおもいます。世田谷ものづくり学校もとても面白い場所だと感じました。校内の机にたくさんのフライヤーが置かれていたので、めぼしいものを片っ端からいただいてしまった。帰宅してからいただいたフライヤーに目を通したのですが、デザインから音楽、映像まで、さまざまなクリエイターの活動が刺激的で、地域活性化のためのプロジェクトもあります。これは!というイベントなどには、積極的に参加していくつもりです。
正直なところスピーカーごときを変えたところで何が変わるのかとおもっていたのですが、びっくりしました。リスニング環境が変わると風景が変わる。部屋の空気の質感が変化したようにさえおもえます。CREATIVE T12、買ってよかった。

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最近、iPad mini の TuneIn Radio というインターネットラジオのアプリを使ってネットラジオを聴くことが増え、とはいえiPad miniのスピーカーはお世辞にもいいものとはいえないので(むしろKindle HD のほうがスピーカーは優れているとおもいます)、デスクトップのスピーカーが欲しいな、とおもったことが発端でした。

とりあえずAmazonのレビューを参考にして検討しました。どうやらCREATIVEという会社の製品が絶賛されている。しかし、周辺機器関連に疎いぼくはCREATIVEのことを知りませんでした。以前には、BOSEのCompanion5 が欲しいなとおもっていた時期があり、しかし5万円ほどの出費が自由にならずに保留にしていました。CREATIVEの製品に注目したのは、まず価格帯。5000円ほどで手に入ることに魅力を感じました。さらにBluetoothでワイヤレス接続できることです。


B004184YKYCreative T12 Wireless デスクトップ ステレオワイヤレス スピーカーシステム Bluetooth SP-T12W
クリエイティブ・メディア 2010-09-16

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さくっとAmazonで買っちゃおうかなとおもいつつ、やはり一度試聴したほうがいいでしょ、ということで家電量販店で試聴。いま家電量販店では、iPadなどを持っていけばその場でBluetoothでペアリングしてスピーカーの試聴ができるんですね。そうやっていくつものスピーカーを試聴したところ、確かに騒がしい店頭においてもCREATIVE T12は、お!とおもった。BOSEやJBLも試聴してみたのだけれど、安いにもかかわらずCREATIVE T12のほうがいい音がする。というわけで、試聴だけしておいて家電量販店さんには大変申し訳ないのですが、帰宅してAmazonで注文しました。

注文して1週間もたたないうちにCREATIVE T12が届きました。箱から出してみると案外いい感じ。光沢のあるフロントと銀のスピーカーコーンのデザインは、ちょっとした高級感さえ感じさせます。値段相当のちゃちなデザインだったらがっかりだな、とおもったのですが、そんなことはなく、まずデザインに満足しました。

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左右のスピーカーをケーブルでつないで(この部分もワイヤレスならいいのに)、電源ケーブルをコンセントへ。ボリュームのノブを右に回すと電源が入り、青いランプが点灯します。ランプの隣りにあるBluetoothのボタンを長押ししてiPad miniとペアリング。1度認識されずに焦ったのですが、やり直すとiPadとワイヤレスでつながりました。

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インターネットラジオを立ち上げると、いきなり飛び出してきた音に圧倒されました。低音がすごい。ずんずん響いてくる。しかし高音も歯切れが良く、いわゆるどんしゃりな感じでしょうか。おお、気持ちがいいぞ、と感動しました。80年代の洋楽では、ドラムのキックの音やベースのグルーヴがよく響く。机の上に置いてあるのだけれど、机にもずんずん響く感じです。

ロックやポップスだけでなく、ジャズもいい感じ。ウッドベースのアタック音であるとか、フレットノイズも明瞭に聴こえてきて臨場感がある。ギターもいいです。定位も優れているようで、ステレオの立体感がある。

いままで聴いていたCDをパソコンに取り込み、ぼくのパソコンにはBluetoothがないのでiTunes経由でiPad miniと共有して聴いてみたのですが、以前使っていたKENWOODのミニコンポでは聴こえなかった音が聴こえてきて新鮮。何度も聴いたアルバムが新しいアルバムのようにおもえました。いままでいったい何を聴いていたんだ、という気持ちにもなりました。

パソコンの前、左右のスピーカーの間にiPad miniを置いて、インターネットラジオやPCに取り込んだCDを聴いているのですが、なんとなくiPad miniとパソコンが一体化している印象です。アルバムのアートワークなども表示されるのでいい感じ。

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あなどっていました。スピーカーを変えるだけで、音楽は一変するんですね。もっと高級のスピーカーやオーディオシステムに変更したらもっと音楽は変わるのでしょうか。とはいえ、いまのところぼくはCREATIVE T12の音に大満足しています。そして生活から音楽が切り離せない状態になっています。
やや肌寒さを感じながら久し振りの新宿の雑踏を歩き、紀伊國屋書店に立ち寄りました。ビジネス書や電子書籍関連の本を物色していたのだけれど、最終的に購入したのは、谷川俊太郎さんの最新の作品集である『写真』。ポストカードサイズのかわいい写真集で、アフォリズムのような短い散文詩がついています。

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4794967950写真
谷川 俊太郎 解説・飯沢 耕太郎
晶文社 2013-02-01

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そのあとタワーレコードのエレクトロニカコーナーで2枚のCDを購入。ずっと前に試聴して気になっていたSerphの「el esperanka」と、今回試聴してよかったRhian Sheehanの「Stories From Elsewhere」。どちらもパワープッシュされていたアルバムです。Rhian Sheehanは、シガー・ロスなどを彷彿とさせる楽曲というように紹介されていました。

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「ミイル(miil)」というフード系ソーシャルアプリがあります。ブログやSNSなどで料理の写真を公開するひとも多いかとおもいますが、「ミイル(miil)」は料理の写真を撮って友達と共有できる写真アプリです。Android版およびiOS版が提供されています。

http://miil.me/
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P1000565.JPG大学時代の知人の有賀薫さんは、このアプリを使って365日間、毎朝スープを撮り続けました。その365日分の朝のスープ写真とともに、ご自身で描かれた絵を展示し、さらにレシピの公開に加えて実際に会場でスープまで飲めるという至れりつくせりのイベントが神楽坂フラスコで行われた『スープ・カレンダー』でした。

地下鉄東西線の神楽坂駅、神楽坂方面の出口からゆるやかに坂を下り、100円ショップの角を左に折れて公園に向かう路地をちょっと入ったところにフラスコはありました。1階の入り口が路地に面していて、散歩中にふらりと立ち寄るひともいたようです。

神楽坂って、いい感じの街ですね。ぼくはあまり来たことがなかったのだけれど、なんとなく和む雰囲気がありました。そんな神楽坂の路地裏でさりげなく展示されているスープたち。神楽坂にスープはよく似合うかもしれない、とおもったりして。

開放的な入り口から、壁いちめんに貼られた365日のスープがみえます。女性だけでなく男性の方もたくさん来ていました。

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365日のスープには、ひとつとして同じ顔がない。毎日違うスープを作ろうと決めていたそうですが、色とりどりの365品を見渡していると圧倒的な生活のチカラを感じました。

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カレンダーは特殊なクロスに印刷されたもので、レイアウトデザインに関してはblue vespaというデザイン制作会社とのコラボ。確かに商品として買い求めたくなるクォリティを感じました。この展覧会に合わせて絵画も描いたそうですが、プロのデザイン仕事に匹敵するような作品を描かなければならず、かなりプレッシャーを感じたと有賀さんはお話されていました。

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とはいえ、有賀さんの描かれた絵もよかったですよ。水彩の淡い滲み具合がとても繊細です。ぼくは鍋を描いた絵のメタリックさに惹かれました。

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会場にはいくつかのスープのレシピと実際に使う野菜も展示されていました。野菜は会場で買い求めることもできる。

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しかも、「本日のスープ」として展示されているスープを会場で食べることができます。レシピのなかから2品のスープが提供されていて、ぼくは春野菜のミネストローネをいただきました。500円。おいしかった。やさしい味がする、という感想を述べていた方がいましたが、春の味がしました。

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有賀さんが会場で配っていた名刺には「画家/スープ作家」という肩書きが書かれていて、おもしろいとおもいました。絵を描くことで彼女は創造的な活動をしているわけだけれども、主婦が毎朝作るスープも十分にクリエイティブであり、生活がアートになる。しかも365日という日々の積み重ねは圧倒的な実績として「表現力」をもつ。

創造というものは、どこか洗練された遠い世界にあるのではなく、ぼくらの生活のなかに既に存在しているんじゃないかな、ということを神楽坂からの帰り道に考えました。
4月5日の金曜日、新橋の第一ホテル東京で開催された「東京国際ブックフェア」と「電子出版EXPO」の出展社向け特別セミナーに参加しました。出版関係の方がメインでしょうか、会場には500人ぐらいの方が参加されていて、熱気に溢れていました。

チキンな新米社長としては、ちょっと怯んでしまった。業界というクラウドな存在は目に見えないものですが、こうやって一同に介しているひとたちを目の当たりにすると、そのでかさというものがわかる。このひとたちと競合してビジネスをしていかなくちゃならないのか、と考えると気持ちが引き締まりました。競合だけではなくて、共創もあるかとはおもいますが。

イベントを主催されているリードエグジビジョン株式会社の方から、最近では出版社だけではなくWebの制作会社やコンテンツクリエイターの方からも東京国際ブックフェアや電子出版EXPOが注目 されているとお話をいただいていたのですが、なるほど頷ける。電子書籍がテキストだけでなく音楽や映像を融合させたリッチコンテンツの方向に進むことを考えると、デジタルコンテンツのひとつとして電子書籍のビジネスを考える制作会社が増えるのは当然の流れであり、大手出版社にない小回りのきいた出版ビジネスを展開できるチャンスもあると考えます。ぼくもそこに機会を感じているひとりです。

セミナーでは、イベントは「商談の場である」ということが強調されていて、具体的な書店さんや大学図書館からの要望などが紹介されていました。予算600万円でビジネス書籍を仕入れたいなど、商談の具体的な要望が提示されて、とても説得力があった。小間を借りて展示をしたいなあとおもったのですが、残念ながら今年は予算が取れなさそうです。しかし、ビジネスの機会を拡げる場として「東京国際ブックフェア」と「電子出版EXPO」に注目しています。

■[国際]電子出版EXPO
会期:2013年7月3日(水)~7月5日(金)
会場:東京ビッグサイト
主催:東京国際ブックフェア実行委員会
    リード エグジビション ジャパン株式会社

http://www.ebooks-expo.jp/ja/

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大学時代の知人、有賀薫さんのちょっと変わった展覧会「スープ・カレンダー」が本日4月5日(金)から4月10日(水)まで、神楽坂のフラスコで開催されます。

有賀さんはライターをやりながら絵も描かれているという多彩な女性ですが、今回は写真と絵画展という催しとのこと。毎朝、iPhoneのアプリで撮影したスープの写真を365日分、一挙に展示されるそうです。

サイトの告知を読むと、スープ・カレンダーのプロジェクトから2つの製品が生まれたようであり、さらに会場では手作りのスープも味わえるらしい。絵画や写真にとどまらない立体的な展示になりそうです。まさにライフ・イズ・アートという感じでしょうか。楽しみですね。

サイトはこちら。

http://kao-run.com/e4-top.html
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有賀 薫 写真と絵画展
『スープ・カレンダー』

【日時】
2013.4.5(金)~4.10(水)
12:00~20:00 (最終日のみ17:00まで)

【会場】
神楽坂 フラスコ
〒162-0825
東京都新宿区神楽坂6-16
TEL : 03-3260-9055
http://www.frascokagura.com/

【アクセス】
東京メトロ 東西線 神楽坂駅 1番出口(神楽坂口)から、徒歩3分
都営地下鉄 大江戸線 牛込神楽坂駅 A3番出口から、徒歩5分


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NHKラジオ講座のテキストは「英語で読む村上春樹」。ずっと前から書店の店頭で気になっていたのですが、今週末から放送ということで買っちゃいました。iPad mini でNHKラジオを聴くことができる「らじる★らじる」をインストールしたので、タブレットで聴こうとおもっています。おお、石原千秋先生が座談会に登場されておる。

B00BLNUJPQNHK ラジオ 英語で読む村上春樹 2013年 04月号 [雑誌]
NHK出版 2013-03-18

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『ノマドワーカーという生き方』は、三軒茶屋のTSUTAYAにノマド関連のコーナーが設置されていて、そこにあったいろいろな本を読み漁っていたところ共感して購入。なりたいとおもっていたわけではないけれど、結果としてぼくは起業せざるを得ない状況から自宅をオフィスにして、MacBook Airを持ち歩いてカフェで仕事をしている状況にあります。これはノマドワーカーというスタイルなわけで、ノマドなりの効率的な仕事の方法を模索していました。そんなときに、まさに参考になる本だとおもいました。

ノマドというワークスタイルは、一過性の流行や軽い気持ちからファッションとして採用するのではなく、時代や社会から個人が追い詰められた上で生まれてくるのではないかとぼくは考えます。まだ読み始めたばかりですが、真剣にプロブロガーとしてノマドのスタイルを選択している立花岳志さんの「生き方」に共感を得ています。

4492044620ノマドワーカーという生き方
立花 岳志
東洋経済新報社 2012-06-01

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P1000539.JPGのサムネール画像のサムネール画像さくらが歩道に舞うようになった4月、税務署からの帰り道に立ち寄ったのがタビラコでした。世田谷線に隣接しているお店で、松陰神社前のカフェとしては3軒目。川口葉子さんの「東京カフェ散歩」で知りました。

カフェ初心者のぼくが感じたことですが、素敵なカフェというのはあんがい外観はあれ?ここ入っても大丈夫かな、という造りだったりする。どこか素朴だったり、ふつうの住居のような佇まいです。けれども扉を押して入ってみると、あったかい空間が拡がる。そんなギャップがいい。

タビラコもそんなカフェでした。ぼくは一度、店の前を通り過ぎてしまった。カフェの存在に気がつかなかったのです。けれども道を戻って、ああ、ここにあったんだと再確認しました。通り過ぎてしまいそうな自己主張のなさが逆によかったりします。

店内の壁には絵本がたくさん立てかけられています。さりげなく置かれた観葉植物がやさしい。注文しようとしてぼんやりと考えていると、女性店主の高橋さん(というのは、川口葉子さんの本で知った)が、スコーンのジャムが選べることを書いた黒板を立ててくれました。カフェオレだけ注文したのだけれど、スコーン頼めばよかったかな。

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カフェオレがあったかい。天井にはアンティークな灯り。

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世田谷線側の大きな窓がある席に座ったので、すぐそこに線路があり、ときおり世田谷線の小型な車両が通り過ぎていきます。けれどもその音は騒がしくなく、むしろ静かな店内の音楽を聴きながら電車が通り過ぎるのを待ってしまう。電車の通らない線路には、さくらの花びらがひらひらと舞っていました。

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店を出るときにレジでお金を払いながら、店主の高橋さんに「本で読みました。出版社にお勤めだったんですよね」と訊ねると「ずいぶん昔のことです。編集ではなかったんですけど」とのこと。シャイな感じの店主さんでした。

おひとりでカフェを運営していくのは大変だろうなあ、と考えました。ぼくもひとりで会社を立ち上げて大変なのですが、お客さま商売の場合はもっと大変な気がする。とはいえ大変さを微塵も感じさせないカフェのことを考えながら、世田谷線の松陰神社前駅に向かいました。ほんのすぐ先に駅はありましたが。

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■ブログ
http://tabiraco.jugem.jp/

■食べログ
http://tabelog.com/tokyo/A1317/A131709/13109069/

■Googleマップ


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近所のTSUTAYAで本を眺めていたところ、小山昇という方の書いたビジネス書が2冊もあり、気になってしまいました。気になると買ってしまうのがぼくの悪い癖で、やっぱり買ってしまった。株式会社武蔵野、うーむ気になる。経営理念は定款でうたったのだけれど、経営計画をきちんと立てなきゃな、とおもっていたところなので参考になりそうな本です。法人登記でスタートを切ったのですが、経営を走らせながら勉強しよう。

4478021937強い会社の教科書
小山 昇
ダイヤモンド社 2012-10-19

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高校生の頃、ぼくの神様といえば詩人の谷川俊太郎さんでした。思潮社の分厚い「谷川俊太郎詩集」はバイブルであり、何度も読み耽りました。そうして自分も詩人として生きることを夢想しました。

478372315X谷川俊太郎詩集
谷川 俊太郎
思潮社 2002-01

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トウキョーの大学に進学し、社会人になり結婚して子供もできて、詩とは遠く離れた場所で生活しています。詩人になろうなどという夢は跡形もなく消えて、詩を読むことも少なくなりました。けれども、やっぱり詩が好きなのかもしれない。大きな声では言えなかったりするのですが。

3月31日、荻窪の6次元というずっと前から訪れたかったカフェで行われた「ポエガール主義」というイベントに参加しました。ポエガール( http://poe-girl.tumblr.com/ )というのは『詩にあこがれよう、こころを愛でよう』をテーマに、谷川俊太郎さん、覚和歌子さんなど人気詩人が参加している詩のブランドであり、詩のグッズなどの販売もしています。今回は、ポエガール初のイベントとのこと。

写真 2013-03-31 13 30 48.jpgのサムネール画像のサムネール画像実は中央線の電車内で開催時間を30分間違えていたことに気づいた。13:30から始まりだとおもっていたですが13:00でした。遅れちゃったと焦って荻窪の駅に降りたら道に迷い、途中でひとに聞いてやっと6次元に辿り着きました。1階に木のプレートがかかっていて、おお、インターネットでみた通りだ、と感動。

階段をのぼってドアから店内を見ると、たくさんのひとたちが集っている。うわ、この状態で遅刻は恥ずかしいなとおもいつつ店内に入ると、30人ぐらいでしょうか、熱心にイベントをみている参加者のみなさんの熱い雰囲気に飲まれそうになりました。

ぼくが参加したときには、しらくまいく子さんの映像がプロジェクターに映し出され、文月悠光さんと対談が行われていたところでした。静かに流れる海の映像に慌てて参加した自分のこころが癒やされていくのを感じました。その後、休憩をはさんでオープンマイクの時間。

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実はこういう詩のイベントに参加するのは、はじめてだったのですが、オープンマイクではみなさんが前に出て、3分間の与えられた時間のなかで詩を朗読する。20人ほどの方が参加されました。自作の詩を朗読される方が多かったのですが、詩を持ってきたひとを募ってその場で初見で詩を朗読する方がいたり、ギターを弾きながら歌うひとがいたり、あるいは検索朗読なるものを披露するひともいて面白かった。検索朗読というのは、その場で検索ワードを挙げてもらって(このときは「海」と「少女」)、それを読み上げるもの。

詩にはリズムがあり、テンポよく語られる朗読は気持ちがいいものです。田中庸介さんの読まれた詩はまさにリズムを感じさせるもので、その場の空気を変えてしまうような迫力がありました。「ぱぷりかあふりか」というフレーズが耳に残りました。田中庸介さんが朗読している写真です。

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個人的にインスパイアされたのは谷川俊太郎さんの「これが私の優しさです」の朗読。とてもうつくしい女性の方が朗読されたのですが、あらためてその詩のもつ繊細な世界に感銘を受けました。

写真 2013-03-31 14 58 15.jpg

「これが私の優しさです」を引用しておきます。

窓の外の若葉について考えていいですか
そのむこうの青空について考えても?
永遠と虚無について考えていいですか
あなたが死にかけているときに

あなたが死にかけているときに
あなたについて考えないでいいですか
あなたから遠く遠くはなれて
生きている恋人のことを考えても?

それがあなたを考えることにつながる
とそう信じてもいいですか
それほど強くなっていいですか
あなたのおかげで

泣ける。すばらしいですね。

朗読された方は22歳の大学4年生で、子供の頃から詩が好きだったとのこと。イベント後にちょっとお話したところ「大人っぽくみられて困ります」というようなことをお話いただいたのですが、よいのではないでしょうか。谷川俊太郎さんが好きな大人っぽい綺麗な女性。いいとおもいます。

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会場ではポエガールのさまざまなグッズも販売されていました。なかなか、かわいい。イベントでは進行役としてマイクを握り、グッズに詩を提供されている松崎義行さんに誘われて2次会にも参加したのですが、詩を売ることの難しさについていろいろな方からお話を伺いました。

文芸をビジネスにしようとすると難しい。ぼくがやろうとしている電子書籍もそうなのだけれど単体で採算をとることは困難です。ソーセキ・トゥエンティワンではデジタルコンテンツの制作や販売を事業領域に定めていますが、ビジネスとして利益を生むのは、コンテンツに付帯したサービス(たとえば教育とか)ではないかと考えています。その他の部分で事業基盤を安定化させて、文芸の分野に投資するイメージ。夢だけを追っていても食えなければ生きていけないので。

ところで、ポエガール主義のイベントでは、ぼくもオープンマイクに参加しました。ぼくはKindle Fire HDで自作曲を流しました。自作曲は「AME-FURU」。ついでに歌詞カードを配ったのですが、PDFをここに掲載しておきます。

AME-FURU.JPG

AME-FURU.pdf

BOOKS

以下のムックおよび書籍で原稿を書かせていただきました。

4800249368天皇家の食卓と日用品 (TJMOOK ふくろうBOOKS)
宝島社 2015-12-04

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4800246660月とこよみの本
林 完次
宝島社 2015-09-18

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詩の電子書籍です。

B00CPQ6MM2天秤座の彼女 (ポエムピース電詩文庫)
マツザキヨシユキ 外岡浩
株式会社ソーセキ・トゥエンティワン 2013-05-08

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B00CXACOIG小峰に纏わりつくネコ (ポエムピース電詩文庫)
マツザキヨシユキ 外岡浩
株式会社ソーセキ・トゥエンティワン 2013-05-20

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DTMアーカイブス



自作曲弾き語り

ネバー・エンディング・ストーリー(THE NEVER ENDING STORY Cover)