高校生の頃、ぼくの神様といえば詩人の谷川俊太郎さんでした。思潮社の分厚い「谷川俊太郎詩集」はバイブルであり、何度も読み耽りました。そうして自分も詩人として生きることを夢想しました。
トウキョーの大学に進学し、社会人になり結婚して子供もできて、詩とは遠く離れた場所で生活しています。詩人になろうなどという夢は跡形もなく消えて、詩を読むことも少なくなりました。けれども、やっぱり詩が好きなのかもしれない。大きな声では言えなかったりするのですが。
3月31日、荻窪の6次元というずっと前から訪れたかったカフェで行われた「ポエガール主義」というイベントに参加しました。ポエガール( http://poe-girl.tumblr.com/ )というのは『詩にあこがれよう、こころを愛でよう』をテーマに、谷川俊太郎さん、覚和歌子さんなど人気詩人が参加している詩のブランドであり、詩のグッズなどの販売もしています。今回は、ポエガール初のイベントとのこと。
実は中央線の電車内で開催時間を30分間違えていたことに気づいた。13:30から始まりだとおもっていたですが13:00でした。遅れちゃったと焦って荻窪の駅に降りたら道に迷い、途中でひとに聞いてやっと6次元に辿り着きました。1階に木のプレートがかかっていて、おお、インターネットでみた通りだ、と感動。
階段をのぼってドアから店内を見ると、たくさんのひとたちが集っている。うわ、この状態で遅刻は恥ずかしいなとおもいつつ店内に入ると、30人ぐらいでしょうか、熱心にイベントをみている参加者のみなさんの熱い雰囲気に飲まれそうになりました。
ぼくが参加したときには、しらくまいく子さんの映像がプロジェクターに映し出され、文月悠光さんと対談が行われていたところでした。静かに流れる海の映像に慌てて参加した自分のこころが癒やされていくのを感じました。その後、休憩をはさんでオープンマイクの時間。
実はこういう詩のイベントに参加するのは、はじめてだったのですが、オープンマイクではみなさんが前に出て、3分間の与えられた時間のなかで詩を朗読する。20人ほどの方が参加されました。自作の詩を朗読される方が多かったのですが、詩を持ってきたひとを募ってその場で初見で詩を朗読する方がいたり、ギターを弾きながら歌うひとがいたり、あるいは検索朗読なるものを披露するひともいて面白かった。検索朗読というのは、その場で検索ワードを挙げてもらって(このときは「海」と「少女」)、それを読み上げるもの。
詩にはリズムがあり、テンポよく語られる朗読は気持ちがいいものです。田中庸介さんの読まれた詩はまさにリズムを感じさせるもので、その場の空気を変えてしまうような迫力がありました。「ぱぷりかあふりか」というフレーズが耳に残りました。田中庸介さんが朗読している写真です。
個人的にインスパイアされたのは谷川俊太郎さんの「これが私の優しさです」の朗読。とてもうつくしい女性の方が朗読されたのですが、あらためてその詩のもつ繊細な世界に感銘を受けました。
「これが私の優しさです」を引用しておきます。
朗読された方は22歳の大学4年生で、子供の頃から詩が好きだったとのこと。イベント後にちょっとお話したところ「大人っぽくみられて困ります」というようなことをお話いただいたのですが、よいのではないでしょうか。谷川俊太郎さんが好きな大人っぽい綺麗な女性。いいとおもいます。
会場ではポエガールのさまざまなグッズも販売されていました。なかなか、かわいい。イベントでは進行役としてマイクを握り、グッズに詩を提供されている松崎義行さんに誘われて2次会にも参加したのですが、詩を売ることの難しさについていろいろな方からお話を伺いました。
文芸をビジネスにしようとすると難しい。ぼくがやろうとしている電子書籍もそうなのだけれど単体で採算をとることは困難です。ソーセキ・トゥエンティワンではデジタルコンテンツの制作や販売を事業領域に定めていますが、ビジネスとして利益を生むのは、コンテンツに付帯したサービス(たとえば教育とか)ではないかと考えています。その他の部分で事業基盤を安定化させて、文芸の分野に投資するイメージ。夢だけを追っていても食えなければ生きていけないので。
ところで、ポエガール主義のイベントでは、ぼくもオープンマイクに参加しました。ぼくはKindle Fire HDで自作曲を流しました。自作曲は「AME-FURU」。ついでに歌詞カードを配ったのですが、PDFをここに掲載しておきます。
AME-FURU.pdf
谷川俊太郎詩集 谷川 俊太郎 思潮社 2002-01 by G-Tools |
トウキョーの大学に進学し、社会人になり結婚して子供もできて、詩とは遠く離れた場所で生活しています。詩人になろうなどという夢は跡形もなく消えて、詩を読むことも少なくなりました。けれども、やっぱり詩が好きなのかもしれない。大きな声では言えなかったりするのですが。
3月31日、荻窪の6次元というずっと前から訪れたかったカフェで行われた「ポエガール主義」というイベントに参加しました。ポエガール( http://poe-girl.tumblr.com/ )というのは『詩にあこがれよう、こころを愛でよう』をテーマに、谷川俊太郎さん、覚和歌子さんなど人気詩人が参加している詩のブランドであり、詩のグッズなどの販売もしています。今回は、ポエガール初のイベントとのこと。
実は中央線の電車内で開催時間を30分間違えていたことに気づいた。13:30から始まりだとおもっていたですが13:00でした。遅れちゃったと焦って荻窪の駅に降りたら道に迷い、途中でひとに聞いてやっと6次元に辿り着きました。1階に木のプレートがかかっていて、おお、インターネットでみた通りだ、と感動。
階段をのぼってドアから店内を見ると、たくさんのひとたちが集っている。うわ、この状態で遅刻は恥ずかしいなとおもいつつ店内に入ると、30人ぐらいでしょうか、熱心にイベントをみている参加者のみなさんの熱い雰囲気に飲まれそうになりました。
ぼくが参加したときには、しらくまいく子さんの映像がプロジェクターに映し出され、文月悠光さんと対談が行われていたところでした。静かに流れる海の映像に慌てて参加した自分のこころが癒やされていくのを感じました。その後、休憩をはさんでオープンマイクの時間。
実はこういう詩のイベントに参加するのは、はじめてだったのですが、オープンマイクではみなさんが前に出て、3分間の与えられた時間のなかで詩を朗読する。20人ほどの方が参加されました。自作の詩を朗読される方が多かったのですが、詩を持ってきたひとを募ってその場で初見で詩を朗読する方がいたり、ギターを弾きながら歌うひとがいたり、あるいは検索朗読なるものを披露するひともいて面白かった。検索朗読というのは、その場で検索ワードを挙げてもらって(このときは「海」と「少女」)、それを読み上げるもの。
詩にはリズムがあり、テンポよく語られる朗読は気持ちがいいものです。田中庸介さんの読まれた詩はまさにリズムを感じさせるもので、その場の空気を変えてしまうような迫力がありました。「ぱぷりかあふりか」というフレーズが耳に残りました。田中庸介さんが朗読している写真です。
個人的にインスパイアされたのは谷川俊太郎さんの「これが私の優しさです」の朗読。とてもうつくしい女性の方が朗読されたのですが、あらためてその詩のもつ繊細な世界に感銘を受けました。
「これが私の優しさです」を引用しておきます。
窓の外の若葉について考えていいですか泣ける。すばらしいですね。
そのむこうの青空について考えても?
永遠と虚無について考えていいですか
あなたが死にかけているときに
あなたが死にかけているときに
あなたについて考えないでいいですか
あなたから遠く遠くはなれて
生きている恋人のことを考えても?
それがあなたを考えることにつながる
とそう信じてもいいですか
それほど強くなっていいですか
あなたのおかげで
朗読された方は22歳の大学4年生で、子供の頃から詩が好きだったとのこと。イベント後にちょっとお話したところ「大人っぽくみられて困ります」というようなことをお話いただいたのですが、よいのではないでしょうか。谷川俊太郎さんが好きな大人っぽい綺麗な女性。いいとおもいます。
会場ではポエガールのさまざまなグッズも販売されていました。なかなか、かわいい。イベントでは進行役としてマイクを握り、グッズに詩を提供されている松崎義行さんに誘われて2次会にも参加したのですが、詩を売ることの難しさについていろいろな方からお話を伺いました。
文芸をビジネスにしようとすると難しい。ぼくがやろうとしている電子書籍もそうなのだけれど単体で採算をとることは困難です。ソーセキ・トゥエンティワンではデジタルコンテンツの制作や販売を事業領域に定めていますが、ビジネスとして利益を生むのは、コンテンツに付帯したサービス(たとえば教育とか)ではないかと考えています。その他の部分で事業基盤を安定化させて、文芸の分野に投資するイメージ。夢だけを追っていても食えなければ生きていけないので。
ところで、ポエガール主義のイベントでは、ぼくもオープンマイクに参加しました。ぼくはKindle Fire HDで自作曲を流しました。自作曲は「AME-FURU」。ついでに歌詞カードを配ったのですが、PDFをここに掲載しておきます。
AME-FURU.pdf