2015年2月アーカイブ

2015年が幕を開けた途端、風邪をひいてしまった。

晴天の霹靂というか、
夕飯の買い出しに出て戻ってきたところ、
まず、くしゃみが止まらなくなった。

20発ほど連続しただろうか。
はーなんだこりゃと、くしゃみの嵐がおさまったところ
ぼくは風邪のひとになっていた。

高熱っぽい。喉が痛む。
しかしながら手元に体温計がないから
どれぐらい熱があるのか、まったくわからない。


Screenshot_2015-02-05-04-38-19.pngのサムネール画像発熱といえば、だ。
手持ちのスマホがすぐ「発熱」するのである。

「CLEAN MASTER」という
ユーティリティアプリを入れているが
気が付くと「57℃ 内部温度が高すぎます」と
叱られてしまう。

あまりに高温になりすぎると機能が制限されるようで
夏場には、写真を撮ろうとしたら
筐体が高温すぎて
カメラ機能が使えないことがあった。

布団に寝込みつつ
携帯電話を脇にはさんだら熱が測れたらいいのに
と、おもった。しかしながら、そういうセンサーを
搭載した機種はいまのところないようだ。

しかし、いずれはそんなこともできるようになるかもしれない。

4月には登場すると言われている
Apple Watch」をはじめとして
ガジェットやアプリによるヘルスケア機能の充実がめざましい。



Apple Watchでは消費カロリー量の目標を示したり
加速度センサーにより運動量を測定できる。

また、座りっぱなしの場合は立ち上がるように警告もしてくれるようだ。
きっと座って仕事ばかりしている自分は警告されまくりだ。
心拍センサーも組み込まれている。

こうしたヘルスケアのガジェットは
ナイキ「FUELBAND」のヒットに発端があったのではないか。


B00GKU17TCNike+ fuelband SE ナイキフューエルバンド SE ブラック/ボルト [並行輸入品]
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FUELBANDは、特にランニングやウォーキングをするひとたちに愛用され
BluetoothでiPhoneにデータを送信して管理できる。

デバイスのテクノロジーが進化したこともあるが、健康を自己管理する動向は
「クォンティファイド・セルフ(Quantified Self:QS)」として
注目されているらしい。

体調は、ほんらい目に見えない。
その目に見えない体調を数値化することによって
自分で管理しようという動きである。

ただ、2014年02月20日、Newsweekのサイトに掲載された
瀧口範子氏のコラムでは数量化トレンドに警鐘を鳴らしている。
(「ウエアラブルは何のための存在か」)

ウェアラブルデバイスによる体調管理は
ランニングやウォーキングの趣味の世界で活用されるだけでなく
もっと多様な活用が考えられるはずだ。

2015年1月22日のWIREDの記事でも
高齢化社会や慢性疾患に悩む患者のための医療分野で
活用されるべきではないか?という提言があった。
(「「ウェアラブル」業界は、届けるべきターゲットを見誤っている」)

最先端のガジェットとはいえないかもしれないが
聴覚に障害を持つ方のためにインターフォンや電話、ファックスが届いたことを
振動で伝える腕時計「シルウォッチ」という製品もある。

この製品を開発された85歳の齋藤勝さんの話を
Eテレの「ろうを生きる難聴を生きる」という番組で
興味深く視聴した。
(「安心を届けたい-音を知らせる腕時計-」)



ところで、ぼくが最近携わった仕事に
JUKI株式会社様(東証1部上場)が販売代理店として扱っている
「ドライブリズムマスター」の動画制作
ならびにパンフレットやSPツールの制作がある。

この製品は、ドライバーの事故防止や安全運転のために
シートに取り付けたセンサーが、心拍数などから
自律神経と副交感神経の動きを測定する。

そして眠気の予兆、集中力の低下などを
カーナビのような「体調ナビ」で音声とキャラクターで
教えてくれるユニークな装置だ。

以下、ぼくが制作に携わった紹介映像をYouTubeから。



企画構成・シナリオ作成、総合ディレクションはソーセキ・トゥエンティワン、
映像撮影と編集はヒューマンセントリックス様にお願いした
共同制作である。

自分で携わった仕事を紹介すると
「ステマだ」とか言うひともいるかもしれない。

しかし、ぼくは自分が仕事に携わる場合、
どのようなクライアント様や製品であったとしてもまず
「企業や製品を理解し、惚れ抜くこと」
が大切だと考えている。

最初は、正直なところピンとこなかった。
しかし担当者様の熱い説明を何度もヒアリングさせていただくうちに
「これって凄いかも!いや、こういう製品こそ社会に必要だよね!」
という想いに変わった。

ぼくはドライブリズムマスターに惚れ込んでいる。

IT業界でウィルス対策ソフトのプロモーションを考えていたときにも感じたが
たいてい、こういうリスク管理の製品の宣伝は「脅し」が多い。
事故が起きたときの危険性を煽って導入を促す。

しかし、ほんらいであれば
伝えるべき大切なメッセージは、利用者の安全にある。

ムリな運行を避けて、休憩をとるべきときにしっかり身体を休めたり、
運転を交替してもらったり、安全な運行管理をすることが大切。

ドライバーの体調をベストコンディションに維持するために、
自覚はないけれど身体が発しているサインを教えてくれることが
この製品の果たす役割である。
決して眠いドライバーを叩き起こしたり、
疲れているのにムリして働かせる強制労働の装置ではない。

北風と太陽の寓話があるが、脅しではひとの心は動かないことがある。

制作した映像では、きれいなナレーターの女性に
「毎日のお仕事お疲れさまです」とか
「健康に気を付けて行ってらっしゃい」というような
ドライバーの体調をいたわる言葉を
語りかけていただいた。

脅されるよりも、こういうコトバのほうが
数倍うれしいじゃないですか。
そもそも、ぼくが言われたい(笑)

結局のところ、テクノロジーは
ひとをしあわせにするためにある。

もちろん、ランナーの体調測定も大事だろうが
運転事故を未然に防いだり、高齢者や慢性疾患の方に注意を促したり
聴覚や視覚に障害のある方が快適に生活できるように
テクノロジーは活用されるべきではないか。

ぼくは、たかがコンテンツの企画・制作会社(というかひとりだけど)
のプランナーやディレクターに過ぎない。

しかし、コンテンツを通じて
社会に何かあたたかい贈り物をしたり
製品のよさを最大限に伝えることができれば、と考えている。

コンテンツ・マーケティングとよく言われるけれど
アクセスを集めるためだけのおちゃらけた映像や
バラエティ番組のようなウェブサイトや
クラウドソーシングの在宅ライターに
1件300円などの超低コストでウェブで収集した情報を
再利用して大量に文章を書かせることが
コンテンツ・マーケティングかというと
正直なところ違うとおもう。

そういうもんじゃないでしょ、コンテンツ・マーケティングは。

e826de6d8b36949f264c57240e026059_s.jpgコンテンツには可能性がある。

ひとつのコンテンツが、
社会や世界を変えることができるかもしれない。
新しい文化を生み出せるかもしれない。

そのためにはクリエイターは
時代の動向に感性のセンサーを働かせなきゃいけない。
「面白けりゃOK」
「炎上してもアクセス上がればOK」のような
志の低い稚拙な発想に留まっていてはいけないとおもう。

などというようなことを考え、コンテンツを創るものとして
ぼくはあらためて矜恃を正すことにした。

高熱でふらふらしている日曜日の午後に。

(外岡 浩)

BOOKS

以下のムックおよび書籍で原稿を書かせていただきました。

4800249368天皇家の食卓と日用品 (TJMOOK ふくろうBOOKS)
宝島社 2015-12-04

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4800246660月とこよみの本
林 完次
宝島社 2015-09-18

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詩の電子書籍です。

B00CPQ6MM2天秤座の彼女 (ポエムピース電詩文庫)
マツザキヨシユキ 外岡浩
株式会社ソーセキ・トゥエンティワン 2013-05-08

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B00CXACOIG小峰に纏わりつくネコ (ポエムピース電詩文庫)
マツザキヨシユキ 外岡浩
株式会社ソーセキ・トゥエンティワン 2013-05-20

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DTMアーカイブス



自作曲弾き語り

ネバー・エンディング・ストーリー(THE NEVER ENDING STORY Cover)